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　　　　　　　　　　　哀 歓 抄（三）

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　尾 崎  文 英

白藤や揺らす腕に子が睡る

千条の藤と相会う項かな

母の日のエプロン似合うみすずの詩 草笛の小諸恋せし汝が乙女

妹と瀬川に百合を挿ししこと

散紅葉瞬時は炎えて流れ行く

冬服の乙女過ぎ行く身を細め

死者も髪伸びて年越す生死かな

散る霜葉女は眉を凛と引く

蜑乙女ひそみ居るよな水仙花
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（「創流副主宰」）